人間科学コース Human Sciences

青木 賢人 (AOKI Tatsuto) 准教授

[研究領域] 自然地理学、第四紀学、地生態学
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2007年3月25日、石川県が能登半島地震(マグニチュード6.9、最大震度6強)に見舞われ、輪島市を中心に大きな被害を受けたことを覚えているだろう。日本列島では多くの地震や火山噴火が発生し、洪水や豪雪災害も起こる。いわば、日本列島は自然災害列島なのだ。

なぜ、自然災害が起こるのだろう? 大地震や大噴火が起こったら、必ず大災害になるのだろうか? 自然災害とは「人間が住んでいる場所で自然現象が発生し、それが人間に対して害をもたらす」ことである。つまり、どんな大地震であろうと大噴火であろうと、人間が住んでいない場所で発生すれば自然災害とはならない。例えば、火星で火山が大噴火をしても、人間が住んでいないので災害にはならない。また、能登半島地震と同じ規模の地震が金沢の直下で発生すれば、桁違いの災害になるはずである。自然災害の規模や内容は、「どのような自然現象が、どのような生活が営まれている地域で発生するのか」によって大きく変わってくる。

地震の発生や火山の噴火を止めることはできない。自然現象による災害を小さくする為には、現象が発生する地域の社会や生活を見直し、災害に強い地域にしていくしかない。防災のための科学は、自然現象の特徴や実態を自然科学的に解き明かすだけでなく、その地域の人々のあり方を人文・社会科学的に明らかにしていく必要がある。地域の中で自然と人間との関係を見つめ直していくところから始まるのだ。

地球温暖化現象や、熱帯林の破壊といった地球の環境問題も、ヒートアイランド現象や大気汚染といった地域の環境問題も、自然環境に対する人間社会からの負の働きかけの結果として発生し、人間自身が被害を被っている、いわば自業自得の問題なのである。さまざまな時空間スケールを持つ環境問題を解決していくためにも、自然のありかたそのものと、それに対する人間社会の振る舞いの両者を考えていく必要がある。どちらが欠けても、解決には行き着かない。

地理学は、人文・社会科学と自然科学の複合領域に位置する学問分野であり、地域の中に投影される諸現象の総体を取り扱う科学である。中でも自然地理学は、地域の自然環境という視点から災害や環境問題を捉え、解決していくための視点を提供している。「現実の世界」と向き合う科学に取り組みたい学生が集まってくれることを期待している。

なお、私は地域創造学類環境共生コースの専任教員ですが、上述のような自然と人間との関わりや世界の自然環境についての授業を人間科学コース地理学主履修分野の準専任として人文学類でも提供しています。中学校社会科・高校地歴科の免許状を取得しようと考えている皆さんとは授業でお会いすることになるはずです。また実習や演習、卒業論文の指導も担当します。興味がある人は私のHPにアクセスしてみて下さい。

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