人間科学コース Human Sciences

宇根 義己 (UNE Yoshimi) 講師

[研究領域] 人文地理学(経済地理学)
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あなたは地理学についてどのようなイメージをもっていますか。世間では、高校までの地理は「暗記物」という認識があることから、地理学も暗記物と思われるかもしれません。しかし、そうではありません。地理学は、地形・気候どの自然環境や、文化・社会・経済などの人間活動における様々な事柄について、地域・空間などの概念を用いながら、様々な空間スケール(グローバル、ローカル等)から総合的に研究する学問です。つまり、世の中にみられる事象の要因や構造などを、空間的な側面から明らかにすることによって本質に迫る学問なのです。

また、地理学の研究手法は、統計・資料などの分析のほか、フィールドワークや地域調査などと呼ばれる現地調査を多用します。本研究室でも全国各地を対象としたフィールドワークを実施する実習のカリキュラムを設けています。

私は地理学のなかでも人文地理学、とくに経済地理学を専門としています。経済地理学は、生産や消費など世の中の経済に関する諸活動の空間性や地域性などに注目して分析し、その構造を明らかにする分野です。また、地域間の格差や不平等に着目します。

経済地理学は「立地論」という独自の理論を展開しています。平たく言うと、工場やオフィス、商店などの経済活動はどういうところに立地するのか、なぜそこに立地しているのか、そこにみられる法則性はなにかといったことを議論するものです。たとえば、コーヒーチェーンのスターバックスコーヒーの店舗立地には、ある法則性がみられます。今でこそスタバは全都道府県に進出していますが(2015年2月時点)、日本に進出した当初、東京の銀座や青山、丸の内といったイメージの良い、いわばプレミアムな地域に進出し、しかもそこへ集中的に店舗を展開していきました。こうした店舗展開のことを「プレミアム立地戦略」といいます。このように立地には何らかの論理・法則がみられることがあり、経済地理学はそのようなことを導き出すことをひとつの目標としています。

そのうえで私の研究テーマを端的に紹介すると、1)東南アジア、とくにタイにおける自動車産業の立地構造、2)インドにおける地域構造と周辺地域の産業発展および地域間格差、3)インドにおける繊維・アパレル産業の発展とその立地構造、を主としています。地理学が得意とするフィールドワークの手法を用いて、インドやタイで工場や企業の調査をしてきました。また、北陸地域における繊維産業の立地と構造を動態的に把握する研究に着手しています。

最後に、手前味噌になりますが、金沢大学には人文学類以外にも地理学の様々な分野を専門とする教員が在籍し、教員数は全国有数の規模です。みなさんをスケールの大きい地理学の世界へお連れします。人文学類地理学教室のウェブサイトにもぜひアクセスしてみてください。

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