金沢大学 人間社会学域 人文学類

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人文学が果たす鏡の役割

挨拶にかえて

 人文学は、我々自身が人間について、より明晰に、より深く理解しようとする学問領域です。具体的には、心理、認知、言語、意思伝達、文学、文明、文化、歴史、美、社会、共同体、生産、流通、儀礼、信仰、倫理、思想、智などといった様々な事柄を取り上げます。分野によっては、人間の生物的側面と密接に関わる課題を扱うこともありますし、人間をめぐる自然環境に関心を向けることもあります。

 研究の結果、様々な事実が明らかにされるにつれて、私たちは自己をより客観的に捉えることができるようになっています。
 例えば、心理学の成果は、自身の心のしくみや認知の特性を教えてくれますし、歴史学が明らかにする過去は、現在の状況を相対化する上で重要な情報を提供しています。人間に対する深い観察は、しばしば文学作品の分析を通して得ることもできます。
 このように、人文学は、いわば我々自身を映す鏡の役割を担っています。

 人間は、物事を合理的に判断する優れた能力を持つ一方、しばしば不条理な行動も引き起こします。他者に対する共感、豊かな感受性に富む反面、残酷なほどの攻撃性、破壊性を示すこともめずらしくありません。
 私たちは自らが人間である以上、その欠点から完全に逃れることはできませんが、幸いなことに、我々には、自分自身を顧みる目が与えられています。人文学は、そうした営みを体系的に行う学問といえます。
 そして、人間そのものを見つめ直すことによってはじめて、人間の価値をより高める道も開けると考えます。それゆえ、人文学の成果は、我々が未来に向かって生きていくための指針ともなるべきものです。

 ネットで拡散される誹謗中傷やフェイクニュースのように、情報技術の進展に伴って発生する社会問題には、技術面の工夫改善だけでなく、人間に関する洞察なくしては対応できません。技術革新とともに人文学的考察も並行して進めなければなりません。
 地球上ではさらに、環境破壊、食糧危機、そしてなおも発生する戦争・紛争など、私たちは様々な問題に直面しています。貧困、様々な差別、そして人間関係に悩む人々も後を絶ちません。
 もし私たちを取り巻く状況が以前より厳しくなっているとすれば、人文系の諸分野はまだまだその役目を十分に果たしていないのかもしれません。

 本学類での勉学を通して、人文学に関する知識・技量を身につけ、多様な価値観を柔軟に理解するとともに、自らの思考を展開・発信する能力、自らの判断で行動する能力を高めてください。私たちの社会には、人間に対する深い理解を備え、それに基づいて行動できる人がぜひとも必要です。
 人が人らしく生きるためには、科学技術の進歩だけでなく、広い意味での文化の維持と発展が欠かせません。それを担い、耕す人がいなければ、人類は、人間としての真の豊かさを手にすることはできないでしょう。
 皆さんには、将来、社会の中でそのような役割を果たしてほしいと願っています。将来への志を厚く抱く皆さんと出会い、互いに学び、議論し合うことを大いに楽しみにしています。

金沢大学 人文学類長 高山知明


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